ファミリービジネスからファミリービジネスエンタープライズへ

この10年間で、欧米のファミリービジネス研究者、コンサルタントの間では、「ファミリービジネス」という言葉の代わりに「ファミリーエンタープライズ」という言葉がよく用いられるようになってきています。

 

この背景には、ファミリービジネス研究の歴史の中で、研究者が扱う課題や問題意識が変化してきていることがあります。

 

米国FFI(Family Firm Institute)において、設立当初の大きなテーマは、他のファミリービジネス研究の歴史と同様に事業承継の問題でした。事業承継については数々の研究と実践の事例から、大方のコンセンサスはできています。それは、創業家一族(ファミリー)とその事業(ビジネス)をひとつの大きなシステム(ファミリービジネスシステム)と捉え、システム全体の調和と発展を促進するための方策をとることです。これは世界規模のファミリービジネスから零細企業に至るまで規模にかかわらず当てはまることです。

 

ファミリーが持つべき様々な機関(ファミリー評議会、オーナー評議会、フィランソロピー、ファミリーアカデミー、持ち株会社、ファミリーオフィスなど)を組織し、機能させ、ファミリーとビジネスの関わり方を明確に定義するという方策です。

 

 

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