ファミリーか、ビジネスか

ファミリーか、ビジネスか。これは、ファミリービジネスの関係者、つまり3円モデルの中のそれぞれの立場に立つ人にとって究極のテーマで「ファミリービジネスパラドックス」と呼ばれるものです。

立ち位置によって、短期的な利害関係は異なりますが、長期的、大局的にはすべての関係者がファミリービジネスシステム全体に影響を与えている、という点で利害が一致しています。

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自分たちの軸足がどちらかにあるか認識する

ファミリービジネスシステムのなかで日々を過ごしているメンバーにとって、自分たちがファミリーとビジネスのどちらに軸足を置いているのか、バランスを欠いていることはないか、という点について自ら判断することは難しいものですが、大部分のファミリーは、ビジネス志向か、ファミリー志向かのどちらか一方に傾くものです。短期的にはどちらか一方に軸足を置くべき時期はありますが、長期的にはバランスが重要です。そこには当然「正しい答え」などありません。ファミリービジネス研究者のRandel S. CarlockとJohn L. Wardは、以下のように述べています。

  • 行き過ぎたビジネス優先は、ファミリーのコミュニケーションを阻害し、ファミリーの帰属意識、ロイヤリティ、時間、感情を損なう。
  • 行き過ぎたファミリー優先は、ビジネスのコミュニケーション、人間関係、客観的な評価、意思決定、戦略策定を阻害する。
  • ファミリーとビジネスの適切なバランスによって、信頼、コミットメントが生まれ、ビジネスの成果とファミリーの調和を最大化する。

ファミリーか、ビジネスか、このパラドックスに対して、「ファミリーエンタープライズ」がひとつの答えになります。ファミリーエンタープライズが意味することは、ファミリーとビジネスの両方の成功を図るための仕組みづくりです。

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