ファミリーミーティングの効用

ファミリーミーティングを仕組みとして定着させることで、ファミリーメンバーは、対立する意見を合意に導く方法、傾聴、プレゼンテーション、リーダーシップやマネジメントについて学ぶ機会が増え、責任感を育てることができます。

次世代の経営者にとっては、トレーニングの場になり、きょうだい、いとこのチームワークを育てる場にもなるのです。また、オーナーの一族が結束し、強い決意と高邁な理想を掲げると、そのメッセージは一般従業員にとって心強い励みになるものです。会社が困難な状況にあるときも、オーナー一族の一環したメッセージには、従業員の心配を安心感に変える力があります。

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やりたくない理由

このようなファミリーミーティングを提案すると、オーナー経営者の中には、抵抗感を示す人が少なくないものです。今まで自分ひとりで決めていたことを、家族の民主主義にゆだねることに対する抵抗、経営者として、オーナーとしての責任を放棄することでないか、という思い、そもそも親子の間に民主主義や改まった話し合いなどは不似合いなのではないか?まして会社の状況がよくないときに、家族に悪い話を聞かせたくないし、今さら素人のアドバイスを聞いてもしょうがない、かえって問題を大きくするだけだ…など。これらは充分に理解できる反論です。

しかし、3円モデルで見るように、これはファミリー全員が関わっていることだと思い出していただきたいのです。全員が関わっていることなのだという認識から、しっかりと全員で話し合いをすることです。ファミリーの意見を聞いたり、尊重したりすることは、経営者とや株主としての権利と責任を放棄することでなく、むしろ権利を守り、責任を全うするために行う重要な仕事です。

いつ始めるのか

ファミリーミーティングをはじめるタイミングは、早すぎることはありません。是非今からでもはじめていただきたいことです。どのようなファミリーにも、摩擦は必ず起きるものです。問題解決能力の高いファミリーは、摩擦を早い段階でテーブルに乗せ、解消することができます。問題解決能力の低いファミリーは、魔族の表出を恐れて蓋をしたままやり過ごし、大爆発が起きるまで放置してしまいます。

ファミリーが定期的に話し合う習慣を持たず、問題が表出してからいきなり開く家族会議では、打つ手が限られてしまっている場合がほとんどです。また、信頼関係にひびが入り、負の感情で話し合いを始めることにもなり、うまくいかないことが多くなります。大きな問題が起きる前から定期的にミーティングを行い、問題解決能力を高めておくことが重要です。

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