社長は引退の時期を明言できるか?

世代交代に際しては、承継のスケジュールを明確にし、これを計画的に行う必要があります。この計画を策定し実施していくプロセスで、後継者や次期経営幹部が意識を変え、大きく成長していく姿をコンサルタントとして何度も見てきました。

経営者の交代には様々なドラマがあります。二年後の引退を決意したある創業社長の事業承継では、社内の誰もがいずれ起きることと考えてはいましたが、実際にその時期が明示され、後継者が指名され、その経営チームの育成プログラムがはじまり、新体制に向けた組織改変が行われると、社内には新しい活力が生まれてきました。社長を交代するという、現社長の決意がこの変化を起こすのです。

最大のポイントは、現社長が世代交代の時期に来ていることを認識し、その「いずれ」はいつなのかを明言できるかどうかです。これがなかなか難しいものです。現社長の周りの人は皆その時期が来ていると考えているのに、そのことを社長に質問することができる人は社内には誰もいません。「社長は三年後に引退すると言っているが、三年前にも同じことを言っていた」という相談もありました。

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