後継者のリーダーシップ育成のヒント

後継者がビジネスの基本を学んだ後、35歳から45歳の時期は、リーダーシップを高めることを事業承継計画の主眼に据えたいものです。

後継者と目され、ファミリーメンバーというだけで権限を認められることもありますが、それだけは会社を経営するのに必要な、正当なリーダーシップには欠けるものです。私自身は、この時期にいくつかの部署の部長を体験しました。私にとって苦しい時期でした。セミナーや書籍で新しい手法を学び、社内に導入しようとすると必ず「空回り」が起きました。私のプランに明確な反対意見がないにも拘わらず、誰も私についてこようとしないのです。

部長として与えられたポジションや肩書きだけでは、リーダーとして機能できないことを痛感する日々でした。リーダーシップは与えられるものでなく、自分で努力して獲得していかなければならないものなのです。

従業員や顧客、仕入れ先から正当にリーダーシップとして認められるには、他社での経験を含めた、それまでの実績、経営全般の知識、指導力、そして人としての成熟度が問われます。リーダーとしての権威を真に認められるまでには時間がかかるものなのです。通常は5年、特別の功績がある場合にも2年かかるという調査結果があるほどです。

後継者はいくつかの部署を経験しながら、徐々に責任を大きくし、予算に対する責任を持ち、部下や同僚の相談に答え、失敗の経験からも学び、経験を積んでいきます。

後継者のリーダーシップの育成のためには、後継者自身のコミットメント(強い決意)が必要ですが、さらに他者との関係と内省のサイクルから育まれる成長(学習、変化)のプロセスに愚直に取り組むことが大切です。

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