後継者候補が複数の場合

複数の後継者候補がいる場合、どのように選んだらよいのでしょうか。

現役社長にとってこれは大きな悩みです。多数の子会社を持つグループ企業の場合は、次世代の兄弟姉妹はそれぞれが自分の担当する会社を受け持つという選択肢があります。しかし規模が小さな会社では、そのようにはできません。

日本ではかつて、直系長男が後継者になるのが、社内的にも、社外的にも、またファミリーの中でも関係者の理解が得やすく、一番問題が起きにくい形でしたが、それは当人が後継者としての能力を充分に持っていることが大前提です。社員全員のチームワークを高め、ビジネスを発展させる能力が承継社長の条件となります。

後継者候補がいとこの関係の場合、状況はさらに複雑です。当人同士の能力や人望に加えて、その親同士の力関係も影響してくるからです。親として、ファミリーの立場としては自分の子供により良い地位を与えたいと願うのは当然のことですが、ビジネスの立場としては、将来の会社を託すべき人材は誰なのかを客観的に評価する必要があります。

このような場合の後継者の選定を行う方法のひとつに「後継者選定委員会」を組織する方法があります。取締役会メンバー、人事部門の長、各部門の代表などが集まって、明確な評価基準を作り、候補者を評価し、社長にアドバイスするのです。最終的には社長が決めることですが、このプロセスによって、透明性が高まり、関係者の議論も進み、全員が納得する人選ができるようになります。

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