
兄が社長、弟が専務というように、兄弟で経営しようとする場合、ワンマン経営との違いについてよく考えておく必要があります。
世代交代の時、先代も兄弟経営であれば、次世代の兄弟経営にあまり大きな問題は生じないものです。次世代は兄弟経営の生の手本を見ているからです。しかし、ワンマン経営者の次世代が兄弟経営に挑む時、問題が起きやすくなります。
兄弟は父親のワンマン経営に慣れ親しんでおり、兄弟皆が父親のように動き出します。チームとしての経営は暗礁に乗り上げてしまうことになります。このような場合、兄弟の間で新たな意思決定のルールを作らなければなりません。チームを設計することが必要になるのです。
兄弟経営チームの成功要因を探った研究※があります。南アフリカで兄弟で経営する371人に対して行った調査です。ファミリービジネス兄弟チームの成功に影響を与える5つのチーム設計の要素について検証しました。
5つの要素とは、
1 戦略的リーダーシップ
2 経営資源へのアクセス
3 スキルの多様性
4 各人の能力
5 役割の明確さ
です。
調査の結果、兄弟経営チームの成功に大きな影響があるのは、
1 タスクを完了するために必要な経営資源へのアクセス
2 兄弟チーム内のスキルの多様性
3 目標、ビジョンを共有し、合意を形成する戦略プランニング
の3つの要素であることがわかりました。
次回も引き続き「兄弟経営 成功要因」をお届けします。
※The Role of Selected Team Design Elements in Successful Sibling Teams
Shelly Maeva Farrington, Elmarie Venter, and Christo Boshoff, 2011
コメント
コメント一覧 (2件)
2期の加藤です。当社は、2年後、後継者が、兄弟経営となります。文中にあった「兄弟経営チームの成功要因を探った研究※」は、何か書物でしょうか?よろしければ、ご紹介いただけませんでしょうか?また、他に参考になる資料や文献有ればご案内頂くことは可能でしょうか?よろしくお願い致します。
Family Business Review の2012年五月号に掲載された論文です。