
前回に引き続き、ロバート・ディルツ氏のニューロロジカルレベルをお伝えします。
例えば、誰かがあなたにこのように言ったとします。ひとつずつ想像してみて、聞いたときにどんな感じかを試してみてください。
- あなたの環境は素晴らしい
- あなたの行動は素晴らしい
- あなたの能力は素晴らしい
- あなたの信念・価値観は素晴らしい
- あなたは素晴らしい存在だ
同じ「素晴らしい」という評価の言葉ですが、どのレベルに対して言っているのかによって受け止めたときの感覚が違うことに気づかれたでしょうか。

この階層を説明するために、経営難に直面していた、社長に就任した当時の私の意識を例に挙げると、次のようになります。
スピリチュアル(関係性の場)
曽祖父、祖父、父が事業を通して実現させてきた大きな目的、ビジョンをこれから自分が実現していく。自分はこの大きな意思の一部分である。
自己認識
自分は、会社を生き返らせ、成長させていく中心にいる人間である。自分以外にはこの使命を全うできる人はいない。
信念・価値観
明確で実現可能な目標に向かって、会社員の気持ちを集中できれば、危機は乗り越えらえる。これから起こす大きな変化に、社員は前向きに取り組み、銀行、仕入先も協力してくれる。
能力
会社再建の具体的な計画を立て、スケジュールを明確にすることで、全員が自分は何をすべきかがわかるようになる。1~2年後には、社員全員の目に明るい希望が見えてくる。全社員が変化を受け入れる柔軟性を養うことが重要。
行動
具体的な計画書を作成し、状況に合わせて随時更新すること。社員を毎日励ますこと。銀行、仕入れ先に理解と協力を求めるために密に連絡をとること。特に幹部社員とは頻繁に打ち合わせを行うこと。
環境
資産売却や組織変更などの環境の変化がスムーズに進むための準備。
このモデルのポイントは、上位レベルの変化は必ず下位のレベルに影響し、何らかの変化を起こし、逆に下のレベルの変化は上のレベルに影響を及ぼすこともあるが、必ずしもそうなるとは限らないということです。言い方を変えると、あるレベルの意識はひとつのシステムであり、それより上のレベルのサブシステムとして抱合され、コントロールされていると同時に、それより下のレベルをサブシステムとして抱合し、コントロールしているという関係になっています。
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