経営理念、事業戦略を見直す

経営理念の再構築にあたり、ロバート・ディルツ氏の「ニューロロジカル・レベル」を会社にあてはめて考えてみます。

下記の図に示すように、企業をニューロロジカル・レベルの階層構造に照らした場合、経営理念や、ミッションステートメントは「自己認識」や「信念・価値観」のレベルを言葉にしたものです。

一方、事業戦略は「能力、戦略」を、事業計画書、生産計画書、販売計画書などは、「行動」「環境」のレベルでの計画書ということになります。

経営理念を再構築し、事業戦略を考えていくときに、押さえておきたいポイントがあります。それは、会社のニューロロジカル・レベルの一貫性を保つことです。

この体系の頂点にある「スピリチュアル」のレベルは、会社がその一部であるような、より大きなシステムに対して、会社がどのような役割を果たそうとしているかということを示しています。つまり、マーケットに対して、また、顧客や取引先、金融機関などの関係者に対して、あるいは「会社は社員の幸福のためにある」としたときにはその社員に対して、会社がどのような変化を起こそうとしているのかということです。これを「企業ビジョン」と呼びます。

この階層構造が意味することは、上位のレベルの変化は下位のレベルをコントロールし、何らかの変化を起こすということです。会社の経営理念やミッションステートメント明確に言葉にすること、それを額に入れて飾っておくのではなく、全社員が毎日の判断の基準として活かすことで、それ以下の階層(戦略、行動、環境)に直接影響を与えることになります。企業としての理念をはっきりと定めていない場合には、個人の好き嫌いや部門のエゴが「信念・価値観」のレベルで働き、事業戦略を歪んだものにしてしまいます。

ですから、事業戦略を策定するときには、しっかりとビジョンを描き、理念を確認し、それを言葉に表すことができるまでかみ砕き、全員が理解する必要があるのです。そして事業戦略はビジョン、理念と一貫したものでなければなりません。その戦略に基づいて、さらに行動、環境レベルの計画である、経営計画や数値目標を設定します。売上高、経常利益などの財務的な目標や、顧客、ユーザーに関する開拓目標、組織や人材育成の目標を立てます。

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