トップリーダーの交代は革新のチャンスとお伝えしました。経営革新というと、まったく新しい事業の立ち上げを思い浮かべがちですが、既存の事業を新しい組織形態で強化、拡大することも立派な経営革新です。
飛躍的に進歩しているデジタル技術は、革新のために積極的に取り入れたいものです。
避けるべきは、知識、経験の及ばない「飛び地」と呼べるようなまったく新しい分野にいきなり参入することです。「飛び地」は失敗のリスクが非常に高いものです。既存の顧客に新しい商品、サービスを提供する、あるいは既存の商品、サービス、それらを応用したものを新しい顧客に提供するなど、これまでの知識、経験、顧客などの経験資源をベースにした経営革新に取り組むべきでしょう。
昨今の経済情勢では、戦略転換を確実なものにするために、社長交代の時期を早めることも検討に値します。もちろん、後継者やその経営チームの準備が整っていることが前提になりますが、新しい戦略は新しいリーダーにふさわしい仕事です。
社内社外の利害関係者に、新戦略への転換の意思を強く示すことにもなり、彼らの協力を得ることができるでしょう。新しい経営チームによって、新戦略へのスムーズな転換が可能になります。この厳しい時期を世代交代によって乗り切ることは、ファミリービジネスに与えられた強みを充分に発揮する絶好のチャンスです。
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