ファミリービジネスを強くするコンサルタントとは

ファミリービジネスのアドバイザーを選ぶにあたり、重視していただきたいのは、家長、オーナー社長をはじめとする主要なファミリーメンバーとコンサルタントの相性が合うかどうかということです。

相性とは直感的なものではありますが、ファミリーメンバーが、この人の話は聞くに値すると思える人物であることが重要です。ファミリービジネスコンサルティングは、単なるソリューションの提示のみならず、ファミリーとビジネスが目標に向けて変化するプロセスを支援するという、息の長い取り組みになりますし、「客観的なファミリー外の親戚」のような存在にもなるからです。この相性のほかに、いくつか押さえておきたいポイントがあります。

最初に指摘したいのが、守秘義務を順守する人か否かです。以前のブログで挙げた第一のタイプ(法務、財務のスペシャリスト)のほとんどの職種では、守秘義務は重要な職業倫理として常識になっていますが、ファミリービジネスのアドバイスにあたっては、個人のプライバシーにも触れることになるため、守秘義務は特に重要になります。

これは、ファミリービジネスシステム外部に対する守秘義務に加えて、ファミリービジネスのシステム内部での守秘義務も考慮する必要があるからです。ファミリーの中で、○○さんが□□さんのことを陰で悪く言っていることを、たとえファミリー内であっても他言することは、アドバイザーとしての信頼を損ね、ファミリーメンバーから尊重されることが難しくなります。

しかし、実際にはファミリー内にこのような人間関係があるという事実を伏せてコンサルティングを進めることは困難です。このため、特にクライアントファミリー内においては、コンサルタントはできるだけ匿名性を保ちながら、ファミリー内の人間関係に関する問題は客観的事実として診断し、処方する必要があります。

次号に続く

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