ファミリービジネスの本質:スリーサークルモデル(1)

三円モデル(Three Circle Model:スリーサークルモデル)
ファミリービジネスの本質を理解するために、三円モデルが有効です。これは1982年にTagiuriとDavisによって図式化されたもので、以降、多くのファミリービジネス当事者や学者、アドバイザーがファミリービジネスを考えるための基本的なモデルとして使われています。

この図はファミリービジネスにかかわる主な利害関係者が、3つのグループのどれに属するかによって利害が異なることを説明しています。そして、その3グループが全体としてのファミリービジネスというシステムを構成する、ということを表しています。これらのグループが互いに重なり合うことで、7種類の立場の人たちがいることが分かります。

それぞれの立場でものの見方、利害、目標とするものが違います。ファミリービジネスにはこの7種類の立場の関係者がかかわっていて、それぞれの理解を調整しながら発展していく必要があり、この3つのフループのどれか一つだけが極端に優先されていると、ファミリービジネスの世代を超えた発展は困難になります。ファミリービジネスの長期的な成長のためには、この3つのグループが互いに支えあい、それぞれの機能を果たしていくことが必要です。

当初は理解関係者の立ち位置を表した三円モデルですが、「システム」としてこれを見たときに、さらに多くの示唆を得られます。「システム」とは、相互に影響し合う要素の集合体を意味します。ファミリー、ビジネス、オーナーシップというそれぞれのシステムが、より大きな「ファミリービジネスシステム」を構成する要素(サブシステム)として機能します。

ビジネスに起きる変化は直接、間接的にファミリーに変化をもたらし、また、ファミリーに起きる変化は短期的、長期的にオーナーシップやビジネスに影響を与えます。3つのサブシステムが相互に関係し、影響し合う全体がファミリービジネスシステムなのです。

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