ファミリーガバナンス

ガバナンスという言葉はさまざまな意味に用いられますが、ここではファミリービジネスの組織を何世代にもわたって維持し、発展させるための手段のことを示すことにします。ファミリーガバナンスとは、特にファミリーを対象にした手段や仕組みを、ビジネスガバナンス(コーポレートガバナンス)とはビジネスを対象にした手段や仕組みの意味に用います。

ファミリーガバナンスは、ファミリーがその成員や事業との関係について同意し、公にする原則や手順から成り立っているもので、事業に影響を与える事柄に関して、ファミリーが一致した意見と立ち位置をまとめ、「一つの声」を得ることです。それは創業・オーナー家が、自らの役割・責任を定義し、自らを組織化し、さらにビジネスとの関わりを定義・組織化する、継続的な取り組みです。

具体的な形態や進め方は、ファミリーの世代、規模、事業に参加しているファミリーメンバーの人数などによってそれぞれに適した形があります。例えばベンチャービジネスを立ち上げて間もない会社で、株式は単独所有、親族が事業に参加していない場合には、夫婦の定期的なミーティングで十分でしょうし、創業から100年近くたち、第4世代がリーダーシップをとり、いとこ集団所有のファミリービジネスであれば、本家、分家の代表者をメンバーとするファミリー評議会を組織し、ファミリー全体が集まるファミリー総会を行うのが良いでしょう。

シェアはこちら
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次