ファミリーの秘密

人間、誰にでもコンプレックスや問題があるものです。成長し続けようとしている人ならなおさら問題は次から次へと出現します。それを克服したり、乗り越えたりして成長ができます。

個人と同じように、どのファミリーにも多かれ少なかれ問題があるものです。問題の全くないファミリーなどありません。もしも「うちのファミリーには問題がない」と言う人がいたら、家族メンバー全員が神様か仏様、あるいは人間ではない。または問題を見ようとせず、幻想・妄想の世界に住んでいると言えます。人間が二人以上集まれば、必ず何かが起きます。起きて当然と思っている方が現実的です。

ファミリーの秘密や恥は、たとえ一人の人しか知らない事であっても、それはファミリー全体に影響を与えるものです。ちょうどモビールの一か所を揺らすと、モビール全体が揺れるようなものです。

どのようなファミリーでも、秘密や恥になるような問題は起きて当然のことですが、ビジネスを営むファミリーが、サステナブルに、次の世代やその次の世代まで心身ともに健康にビジネスを続けようとするならば、どこかで「その問題」に手を入れていく必要があります。そうでないと、次世代かその次の世代で、もっと大きく複雑な問題となり、ファミリーが足を引っ張ることになり、そのビジネスを閉じることになりかねないからです。

日本人には特に恥の意識が強く、何か問題があると、我が家の恥という意識が、皆で話し合い共有することを止めていることが多いようです。暗黙の了解として、その話題には触れないようです。世間様に「恥をさらす」「恥をかく」くらいなら死んだほうがましだという美学もあるでしょう。「恥を知れ」と律する言葉もあります。

しかし、本当に強いファミリービジネスを作りたいのであれば、無粋なことをしなければなりません。それは、ファミリーの秘密にあえて手を入れていくことです。

手を入れる方法は、まずはその問題を言語化して、テーブルに乗せ、問題提起をすることです。勿論、やみくもに誰かれかまわず話をするのは問題をより大きくしてしまうので、しない方が良いでしょう。そこで、ファミリーメンバーが少しフォーマルな体裁で集まり、そのテーマを冷静に話し合う(安心安全で特別な)場をつくります。それぞれが思っていることを言語化してみることから始められるとよいと思います。安全な場づくりは、私どものようなファミリービジネスコンサルタントやアドバイザー、セラピストなど第三者がファシリテートすると効果的に進行するでしょう。

暗黙の了解で、誰も触れることのできなかったファミリーの秘密を(安全な場で)オープンに話し合えるようになると、不思議とこれまで固定されて進まなかったお互いの関係や課題が解決に向けて動き出すようになります。

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