セブン・スプリングスの7つの価値

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1.誇り

家族経営というと、公私混同や不祥事が起こりやすい、といったデメリットばかりが重要視されがちです。

しかし、企業を次世代へと受け継いでいくためには、企業の理念や社会的な価値を生み出し、提供し、刷新し続けていくことに責任を持ち、コミットしない限り不可能です。そうでなければ、ファミリービジネスの承継は成り立ちません。

未来に向けたまなざしを持ちづつけ、研鑽を欠かさず、価値創造し続けていくファミリービジネスならではの姿勢は、「誇り」あるものと言えます。

2.永続性、持続可能性

 ファミリービジネスでは、世代を超えてビジネスを存続させるために、未来社会における価値を考えざるを得ません。企業や家族の存続を広い視野でとらえるとき、私利私欲の追求だけで長らえることはできません。ファミリービジネスの永続性を求めることは、必然的に生命や地球環境、宇宙環境の持続可能性に寄与することになります。

3.信頼性、社会

世界的には、ファミリービジネスだからこそ取引先として選ぶ、という傾向があります。なぜなら、営利追及のため、容易に方向性を転換するリスクを孕んだ一般企業より、家族が代々受け継ぐことへの信頼性の高さに定評があるからです。

 またファミリーの理念や家訓などによって守られるファミリービジネスにおいては、収益第一主義で、社会的な価値は二の次、といった経営戦略より、社会性を重んじる戦略が重要視されます。ファミリービジネスならではの信頼性、社会性も大きな強みです

4.地域に根ざす

どのファミリービジネスも、初めは街の商店などといった家業からスタートしました。地域の人々に喜ばれ、求められ、役に立つビジネスから始まり、歴史と実績を積み重ねてきた。確かなシーズ(種)とニーズ(必要性)を持った存在です。地域に根ざしたシーズをもとに、あらゆる場所のニーズに応えることのできる存在。それもファミリービジネスの強みと言えるでしょう。

5.Think Globally, Act Locally

気候変動や異常気象、不安定な世界情勢やテクノロジーの急速な進化など、現代はあらゆるものが複雑さを増し、想定外の予測不能な状況に満ち溢れています。そうした中で、よりよい未来のために、持続可能な地球環境と経済発展の両立は、喫緊の課題です。

地球規模で考え、足元の活動から実現する。世代を超えて継がれるファミリービジネスは、こうした課題の達成に寄与できる可能性を秘めています。

6.超高齢化/少子化への処方箋

ファミリービジネスだからこそ、女性や高齢者をはじめとする働き方の多様性、臨機応変さや工夫を、これまでも考えることができてきたのではないでしょうか。持続可能性や永続性を大切にする企業だからこそ、家族をベースに発展してきたビジネスならではの、処方箋があるはずです。

7.愛とつながりの文化創造(コンパッション)

戦後の日本社会で我々は、敗戦から復活し、高度経済成長を走り抜け、「エコノミック・アニマル」と揶揄されるほど、勝ち抜くために必死でした。やがてバブル崩壊以降は失われた30年と言われ、生き残り、生き続けるために必死で、ようやくここにきて経済復活の兆しの途についたかに見えます。

これからに希望を描くためにも、ファミリービジネスこそ、分断されたつながりを回復させ、コンパッション(想像力や思いやり)のある経済活動の担い手として、今と未来に向けた役割を発揮できるのではないでしょうか。

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