ファミリーミーティング:話し合いの目的

ファミリーミーティングは、以下の目的をもって行うものです。

目次

1.強いファミリーと強いビジネスを作る

強いファミリーの関係やファミリーの持つ強いビジネスへの決意、創業の精神やファミリーの価値観がビジネスに反映し、強いビジネスを育てることになります。ファミリーミーティングは、メンバーの参加意欲を高め、互いの協力関係を育成し、強いファミリーを育てるための場です。

2.将来のオーナーシップを計画する

誰が将来の株主になるのかということは、ファミリーとビジネスにとって重要な問題です。ただ株主の権利だけを主張するのでは、200年続くファミリービジネスにはなりません。ファミリー株主としての義務や責任を学び、将来の良きオーナーを育成する場としてファミリーミーティングは効果的です。

3.ファミリーメンバーのビジネスへの参加を計画、調整する

一族の誰がビジネスに参加するのか、どのような経験や資質が必要なのかを明確にすることで、ファミリーによるビジネスの私物化を未然に防ぎ、ビジネスに対する明確な境界線を引くことができます。これによってビジネスに従事する非ファミリーの従業員は、ファミリーの身内びいきではないか、という意識を解消し、ファミリーに対する信頼感を高めることができます。

4.財産の管理について話し合う

優秀なファミリーは、財産は自分のものと思っていません。自分は先祖の財産を預かっており、それを活用し、価値を高めて次の代に渡す、財産の管理人であると考えています。株や土地などの財産は、たとえ個人名義になっていても、それを預かる人がどう扱うかは、ファミリーとビジネスに大きな影響を与えます。財産の管理に関する、ファミリーの意見の調整をファミリーミーティングで行います。

5.事業承継のプロセスを共有する

世代交代、事業承継は、その準備をスタートさせるために、ファミリーの協力が必要になります。ファミリーミーティングは、事業承継や次世代の体制について、ファミリーメンバーが計画を共有する場として活用できます。

6.ファミリーの価値観、伝統、歴史を維持、伝承する

ビジネスの強み、競争優位性の源泉であるファミリーの価値観や文化を世代にも伝えていく場です。

7.ファミリーと取締役会の関係を管理する

社員が50名を過ぎたら、取締役会を機能させることが必要です。その際、ファミリーミーティングに、ファミリーと取締役会の間の調整役としての機能を持たせることができます。これによって、ファミリーとビジネスの境界線が秩序正しく管理されることになり、ファミリーエンタープライズとして、ファミリーとビジネスのバランスが保たれます。

8.摩擦を早期に発見し、解消する

ファミリーミーティングを通してコミュニケーション能力を高めることで、小さな摩擦もそれが小さいうちにテーブルにのり、議論され、調整されるようになります。ファミリーミーティングはこれを実践する場です。

9.ファミリーの夢を共有する

ファミリーミーティングは、ファミリーが共有すべき夢を語り、互いに自分のものとして受け止め、その夢に対する各自の役割を確認する場です。夢はファミリーの原動力であり、その夢に対する決意は、ファミリーの大切な社会関係資本です。

同じ親の元で生まれても一人一人が違う資質や考えを持っています。親子でも全く違った時代背景で育つために価値観が違います。また、結婚してファミリーメンバーになり、初めて出会う価値観にとまどうこともあるでしょう。相手と話さずに自分の中だけで考えていると、家族を憶測でしか判断できなくなります。事実は全く違っている場合問題は益々大きくなります。まずは、家族と話すことから全てが始まります。案外、誤解していたことにも気づくものです。自分を信じ、相手を信じて、話し合うことです。

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