事業承継は駅伝のようなもの

事業継承は、狭義で言えば、リレー競技に例えられるように「ファミリービジネスのリーダーシップと資産を次の世代に移行すること」ですが、さらに長いスパンで考えてみましょう。

つまり、事業承継を広義でとらえると「ビジネスを、世代を超えて継続発展させるための生涯を通して行う計画と実行のプロセス」となります。

米国のあるファミリービジネスコンサルタントは、後継者の社長就任に際して、お祝いの言葉と共に「ところで、あなたの後継者のことは考えていますか?」と尋ねるそうです。また、200年を超えるある老舗企業の会長は、息子の後継者として孫を育成する役割を自分が担っていると話します。

事業承継は、単なるバトンの受け渡しではなく、バトンを受ける後継者をいかに育て、いかに選ぶか、バトンの受け渡しを支えるまわりの態勢をどう整えるか、バトンを渡した後の経営者が次に何をするのかといった総合的な課題を含むものであり、ファミリービジネスの継続性と直結したテーマです。

社長と後継者と二人だけで世代交代することはできず、経営幹部、ファミリーメンバーなど多くの関係者の協力が必要になります。その意味では、バトンリレーよりも駅伝のイメージが近いのかもしれません。それはランナーからランナーへ、たすきを渡すだけでなく、コーチをはじめとする多くのスタッフも共に伴走しながら成し遂げることだからです。

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