相続税対策の前にやるべきこと

世代交代や事業承継と聞くと、ほとんどのオーナー社長は、相続税対策のことを考えます。確かに、膨大な金額になる相続税に対して、どのように準備するのかということは、ファミリービジネスの存続にとって大きな問題であり、しっかりとした準備が必要になります。

しかし、相続税対策の前にやっておくべきことがあります。それが事業承継計画です。事業承継計画がはっきりしないと、相続税対策や財産の承継に関するプランは立てられないのです。税理士さんによく聞くことですが、せっかく良い提案を出しても、全然実行されないことがあります。その理由を聞いてみると、ファミリーの反対で計画が棚上げになってしまったということです。事業承継の計画がきちんと整ってはじめて、財産をどうしていくかという方針がたてられるのです。

他社との差別化をし、真似のできない唯一無二の資源として「ファミリー資本」があり、それには3つの要素があります。「人的資本」「社会関係資本」「財的資本」です。この3つともファミリーが次の世代に引き渡さなければならない、重要な経営資源です。

世代交代を相続税対策だけで乗り切ろうとすると、相続税がかかる「財的資本」だけを次世代に引き渡し、課税されない資産である「人的資本」「社会関係資本」を置きざりにすることになってしまいます。

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