
ファミリービジネスの場合、社長の引退の4つの類型(君主型、将軍型、大使型、知事型)のほかに4つの分野にわたる葛藤や緊張が複雑に絡み合うため、明確に類型にあてはめにくい要素がある、と経営学者のジェフリー・ソネンフェルドは指摘しています。4つの分野の葛藤とは、以下の通りです。
- 創業者の心の内なる緊張で、創業者が英雄の名声を求める心と、彼が持つ専門的な 技能から来る使命感に関係がある葛藤
- 創業者とその息子といった、世代間の葛藤
- あとを継ぐ世代内の緊張で、兄弟、いとこ同士が、それぞれの子供のために地位を求めて争うことから生じる葛藤
- 経営者と長年勤務してきた従業員、古くからの顧客や下請けなどの間に生じる葛藤
これらの要素が加わるため、上記の4つの類型は、ファミリービジネスにおいては明確に表れにくいかもしれませんが、ご自身や身近な社長、会長がどのタイプにあてはまるかを考えてみてください。今後どのような引退の形をとることになるのかを推測することができます。
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