後継者の自己育成計画 

後継者が社長になるまでの時期は、重責を担ってからではできない経験ができるときです。学びの多い時期ですが、時間は限られています。

この時期に何を経験し、何を学ぶかをしっかり計画することが重要です。計画を立て、粛々と実行することで自分の成長を確認でき、またリーダーに必要な自己管理能力を養うこともできます。どのような職務につくかは現社長の意見も参考にしますが、あくまでも後継者自らが決めることが重要で、押し付けられた計画では効果は半減します。ポイントは3つです。

1 売り上げ・利益に直結するライン部門と、コストセンターであるスタッフ部門の両方を体験すること
2 最初は現場の担当者を経験し、次にできる部下、できない部下を含めて、直属の部下を持つこと
3 たとえ小さくても部署の損益の責任を持つこと

現社長の不得意な分野を集中的に経験すると、現社長とのその後の関係がスムーズにいくことが多いでしょう。例えば、現社長が営業に長けた人であれば、後継者は製造や経理、人事などの能力を磨きます。仕事を通して自分の能力を高める目的は、自分の言動に責任を持つこと、社員や顧客、関係先と信頼関係を築くこと、仕事に対する確固たる意志(コミットメント)を養うことです。決算書や取締役会議事録など、どのような情報にアクセスが許されるかも計画し、社長、取締役の承諾を得ておくことです。職場以外で学ぶ場も重要です。

コロナ禍や時代の考え方で、昭和、平成の時代とは同様ではありませんが、業界団体や銀行などが主催する二世会などへの参加や、社会人向けのビジネススクールなどの専門的な教育を受けることも選択肢に入れて計画します。自分の世界や視野を広げることです。特に会計や財務は必ず学んでおきたいものです。

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