
なぜ後継者になるのか、モチベーションはどこにあるか。次期社長のコミットメントを4つのタイプに分類し、それぞれの社長就任後の業績を調べた研究があります。
1 情緒的コミットメント(want to)
会社のゴールに対する得心と、それに貢献したいという強い願望に基づく。自己の能力にも自信を持つ。
2 規範的コミットメント(ought to)
ファミリービジネスに献身すべきという強い義務感に基づく。個人としての関心よりも、会社、親族の関係者に対する責任感を優先させる。
3 打算的コミットメント(have to)
ファミリービジネスに入らない場合の機会損失と、富の喪失を恐れる。他で働くよりも良い収入を得られそうだと考える。
4 不可避的コミットメント(need to)
ファミリービジネス以外で起業したり、他社で成功したりする自信がない。他に行くところがないので後継ぎになる。
この4つのタイプの後継者が、それぞれ社長就任後にどのような業績を上げたのか?その調査の結果は、「情緒的、規範的コミットメントの後継者は、打算的、不可避的コミットメントの後継者よりも業績が良い」というものでした。この調査を行ったSharma氏は、打算的、不可避的コミットメントの後継者には、再教育するか、別のキャリアに進ませるべきだとしています。
“Eat to live, do not live to eat” (生きるために食べろ、食べるために生きるな)
このソクラテスの言葉は、ファミリービジネスの業績にも当てはまるもののようです。
出典:Four Bases of Family Business Successor Commitment
Pramodita Sharma and P. Gregory Irving, 2005
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