事業承継:権限の分散と集中

現社長が交代時期を明言することで、現社長も次期社長も、次期経営チームも、新たな一歩を踏み出し、会社にとって、新しい段階が始まります。

トップリーダーに権限を集中させるべきか、あるいはチーム内で権限を分散させるべきか。この問いに対して全ての状況に通用する正解はありません。リーダーとチームの資質に合わせて、検討すべき課題です。

さらに重要なのは、ビジネスの発展段階のどこにあるのかということです。ビジネスの成長段階で、成長・組織化の段階や安定成長の段階では、経営チームに権限を委譲し、衰退期・再生期から再び創業のステージに向かうときには、トップリーダーに権限を集約させ、強いリーダーシップのもとに革新を遂行するのが効果的です。

このように権限の集中と分散は、組織の成長と環境の変化に応じて、振り子のように揺れていくものです。次世代へのリーダーシップの移行にあたり、次期社長の権限の分散/集中は、現社長のやり方をそのまま引き継ぐのではなく、後継者の能力・資質、事業の環境・発展段階、現在・将来の経営チームの能力を踏まえて計画し、十分に時間をかけて準備していくことが望まれます。

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