家長の交代

ファミリービジネスでは、大抵の場合、家長がビジネスの長を務めています。

社長の地位は後継者にゆずり、自身が会長に就任しても、家長としての地位、責任権限は変わりはない場合がほとんどです。

しかし、例えば、本家の長男は別の仕事に従事(例えば政治家や研究者)し、事業は次男がリーダーとなったようなファミリーでは、次の世代は本家の長男が家長を継承するものの、次男の家(分家)の長男がビジネスを継ぐということもよくあります。この場合、次世代の社長にとっては、家長はいとこにあたるため、ファミリーとしての意思決定の仕組みづくりは世代交代の際に重要な課題になります。

また、家長の選任に関して、ファミリーメンバーの見解が一致しない場合もあります。例えば兄弟経営で兄が他界した場合、弟が社長に就任しますが、家長はこの弟か、あるいは他界した兄の長男か?明確に答えられるファミリーは少ないのではないでしょうか。

代々、本家の長男が家長とされてきたファミリーにおいても、本家に男の子が生まれなかった場合や病気や事故で家長としての役割が果たせなくなった場合などに備えて、ファミリー会議において家長承継ルール作りも必要です。

さらに、このようなファミリーでは、家長という「個人」を中心にした意思決定から、ファミリー評議会などの「仕組み」を中心にした意思決定への移行を志向するべきです。

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