オヤジとムスコ:相手の世界観を理解する

オヤジとムスコの心の底では、全く異なる動機が働いています。

それぞれの異なる動機から見た世界は、それぞれ違った意味を持つものになります。ある製品の売り上げが思わしくないとき、オヤジは「努力が足りないからだ」と言い、ムスコはマーケティング手法が間違っているからだと言います。オヤジもムスコも

「同じ事実を見ていても、相手には全く違う風に見えている」

という大前提を持つことからはじめ、相手の「心の地図」を知り、そのギャップを埋める努力をしなければならないのです。

興味深い研究があります。オヤジ対ムスコの関係を調査した研究です。父と息子の年齢の組合せが、仕事の関係の質にどのように影響するかをハーバード大学のJohn Davisらが調べたものです。大学の中小企業向けのプロブラムに参加した89組のオーナー経営者親子を対象に、仕事の場面での父子の関係について、

1 スムーズな意思疎通ができるか

2 仕事の上での関係に満足しているか

3 一緒に仕事をすることで良い成果が出ているか

4 仕事の上で互いからどれほど学ぶことができるか

を尋ねました。その結果は図の通りです。

●良好な関係ができる年代

 父親が50歳~60歳、息子が27歳~33歳の間(AとB)

 父親が70歳~75歳、息子が40歳~55歳の間(EとF)

●悪い関係になる年代

 父親が65歳~70歳、息子が33歳~40歳の間(CとD)

 父親が75歳~85歳、息子が45歳~55歳の間(GとH)

上記の図の研究がされた1989年と現在では、環境や考え方も変化していて、父子の年齢もこの枠内にはとどまらない例も多くなっているかもしれませんが、父子には上手くいく時期と上手くいかない時期があることは自然なこととして話し合ってみるのはいかがでしょうか。

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