ファミリーガバナンス:独自の組織原則の必要性

同族企業の強さを発揮し、代々続く永続性を確かなものにするためのカギはどこにあるのか、私は、それはオーナー家にある、と考えています。

強いファミリーが強いビジネスを作る、この考えをもとに、どのように強いファミリーを作り、世代を超えて発展させていくか、そのための仕組みづくりを解説します。

戦後生まれの同族企業の多くが、二代、三代と世代を重ねた結果、同族企業の強みを発揮できない状況になっています。

  • 子供が後を継ぐことを嫌がる
  • 創業の理念が忘れられている
  • 短期的な利益にとらわれすぎている
  • オーナー家の意思統一や、オーナー家と経営陣の意思疎通ができていない

などです。

これらの問題はオーナー家と会社を全く別のものとして扱ってきた結果として起きている問題です。オーナー家と会社の間に壁を設け、別々のものとして切り離しすぎた結果です。江戸時代に確立された「イエ」制度は、明治時代に商家や職人、一般庶民の組織原則として普及しました。日本が長寿企業大国といわれる背景には、このイエ制度によるオーナー家と事業の一体性や、事業承継の原則が広く受け入れられていたことがあります。

戦後の民法の改正により、イエ原則のかわりに個人の自由や平等な権利を主軸とする制度に代わりました。また、ファミリーとビジネスは切り離すべしとする戦後の経営論の影響もあり、多くの戦後生まれの同族企業は、二世代、三世代を得た結果、事業の永続性という、同族企業ならではの強みを発揮できなくなりました。

このような背景のもと、それぞれの同族企業で、独自の組織原則を生み出し、それを次世代、次々世代に伝えていく必要が生じています。このブログでは、5つのステップを通じて、各ファミリーで独自の組織原則を考え、浸透し、未来に伝えていくための道標を示します。

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