ファミリーガバナンス構築のための5つのステップ

本ブログでは、ファミリービジネスのガバナンスをテーマにしています。

近年、コーポレートガバナンスが盛んに論じられています。これは不特定多数の株主を持つ一般企業を想定したコーポレートガバナンスです。創業家が強い影響力を持つファミリー企業には、一般企業向けのコーポレートガバナンスとは違う、ファミリービジネス独自のガバナンス論が必要です。さらに、企業サイドのガバナンスに加えて、オーナー家側のガバナンスも必要です。

本ブログではこれを「ファミリーガバナンス」と称しています。ファミリーガバナンスとは、オーナー一族が統治のルールを持ち、情報共有や意思決定を行い、オーナーとしての責務を果たすための仕組みです。これによってファミリービジネスは高い持続性を獲得し、その事業は発展する力を得ます。これが同族経営の強みを発揮する根源的な仕組みになります。

本ブログの5つのステップは、このファミリーガバナンスの構築に焦点を当てたものです。したがって、本ブログは同族企業のオーナー、後継者、オーナー家の方々を主な読者と想定し、さらにファミリー企業の経営に携わる非同族の経営幹部の皆さん、ファミリービジネスに助言する、金融、税務、法務などに携わる専門家の皆さまにも有益なものであるように意図しています。

ステップ1「気づいた人から始める」は、ファミリービジネスの強みと弱み、日本のファミリービジネスの現状とその背景、ファミリーガバナンスに関する知識と、永続のための基本的なモデルを解説します。「気づいた人」がリーダーとなり、ファミリーガバナンス構築の先導役となります。

ステップ2「理解者を増やす」は、先導役がファミリー内の有志とともにファミリービジネスについて共に学び、ファミリーとビジネスをより深く理解する段階です。イエ原則の時代と違い、ファミリーガバナンスは家長一人でルールを定めてもうまく機能しない時代や社会の背景があります。一人でも多くのファミリーメンバーの参加が望まれます。

ステップ3「プランニング」の段階は、ファミリーとして正式な仕組みを作るための準備段階です。ファミリーのビジョンや価値観を共有し、ファミリー総会、ファミリー評議会などのファミリーガバナンスの組織を検討します。

ステップ4「仕組みの運用」で、ファミリーに認められたファミリーガバナンスの組織運用、事業サイドのガバナンス機構との連動をはかります。

ステップ5「世代を超えた繁栄」では、これらの機構を、世代を超えて運営、発展させるための要点を考えます。

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