ファミリービジネスの本質:スリーサークルモデル (2)

ファミリービジネスの三円モデルは、一目でシンプルに理解できるものなので、ファミリービジネスシステムの複雑さを理解することに役立ちます。 

研究者、学者、オーナー経営者や経営陣、ファミリーの構成員が、ファミリービジネスというシステムの強さや課題についてインスピレーションを得ることができ、より深く考えられるようにしてくれるという強みがあります。

このモデルの開発者の一人、John Davisは、以下のように語っています。(http://johndavis.com/three-circle-model-of-the-family-business-system/)

「三円モデル以前、ファミリービジネス分野の研究が始まった当初は、数少ない研究者のはほとんどが完全にビジネスだけに注目していました。その後、時を経ず、ファミリーの力がビジネスに対して影響力があり、逆も同様だということが理解され、研究者は2つの円、ファミリーとビジネスについて、さらにこの2つを要素とするシステムについて考え始めていました。そこでは、家族で起こることはビジネスに影響し、逆もまた然りなのです。しかし、彼らはオーナーシップの重要性を無視していました。 3番目の円(オーナーシップ)の追加により、最初の2つの円だけでは説明できなかった他の問題に、もっと目を向けることができるようになりました。ファミリー、ビジネス、オーナーシップ、この3つを結ぶ円は、ファミリービジネスシステムが何であるかを詳細に定義づけました。ファミリービジネスは3つのサブシステム全てによる相互作用なのです。」

ファミリービジネスにかかわる人は、下記のこの図のどこかに入っています。どこに入っているかによって、利害や意識も違ってきます。仕事をしていないメンバーだからといって、関係ないと思うのは間違いです。

例えば二代目のオーナー社長がいたとします。この社長は、図のGの位置にいます。ビジネスの長であり、ファミリーのメンバーであり、株主でもあるでしょう。一方、社長の弟がいて、よその会社でサラリーマンをやっているとしましょう。兄の会社の株の一部を、父親の遺言によって相続しています。この人は図のDの位置にいます。会社が配当を出そうというときに、たまたまDの位置にいる弟は、Bの位置にいる奥さんから、サラリーマンの給料では子供を大学に通わせるのは大変だからと、株の配当をできるだけ多く出すように、義兄さんに頼むようにプレッシャーをかけられて、できるだけ多くの配当を希望します。Gの位置にいる社長は、新製品開発に必要な投資のために、配当は少なめにして、会社に利益を蓄えておきたいと考えます。

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