
前回からの続きです。
親の引退について、話を始めるための最初のステップは、次世代が自身の後継者としての「信頼(credibility)」を高めるため、あらゆる努力を尽くしている、と認められることです。
マキャベリーは「パワーは与えられるものではなく、獲得するものだ」と言っています。承継というものは、次世代の意志と行動によって成されるものであることを意味しています。
しかし、次世代がそれをどのように行うのかによって大きな違いが生まれます。親をはじめ、株主、従業員、顧客、サプライヤー、さらには活動を行うコミュニティとの良好な関係をつくっているということを親に納得させる責任は、後継者にあります。
後継者が自身の成長、あるいは職業能力の成長に尽力するほど、そして、リーダーシップを発揮し、価値を高める努力をすればするほど、引退の会話が進みやすくなります。
このことによって、親は次世代の業績に自信と誇りを持つことになるのです。そして、お互いに尊重しながら会話を進めるための大きな力になります。
“Enabling Next Generation Legacies ” Peter Jaskiewicz & Sabine B. Rau 著)
次回につづく
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