言うべきか、避けて通るべきか?こう着状態を解消する5つのステップ

ビジネスファミリーでは、こんな内的な会話に出合うことがしばしばです。

「この問題を話すと、助けになるどころか相手を傷つけることになる。」
「姉にそのことを話したのに、姉は一向に改めようとしない。これ以上話してもしょうがない。」
「従兄弟と話し始めると、いつも親どおしの兄弟げんかと同じことになる。だからこのことはもう触れないことにした。」

コンサルティング会社CFARの代表、Nancy Drozdow氏は、
このような会話を「仮想会話(Imagined Conversation)」と呼びます。
内的な会話でリハーサルを行い、悪い結果を想定し、
対話を避けて通るという問題です。

問題を避けて通ることによって、こう着状態を起こし、
話して衝突すると同程度の、或いはそれよりさらに悪い結果を招く、と言います。

ファミリービジネスに携わるメンバーの会話には、3つの階層が重なり合うことが多いものです。

個人どおしのレベル:自分と相手の関係、それぞれを取り巻く人たちとの関係
役割のレベル:仕事上の責任、権限、ファミリーの仲での役割の影響
会社レベル:個人の関係、各人の役割を超えてファミリービジネスとしてどうすべきかを考えるレベル

このような重なりの中でファミリービジネスの構成員はこう着状態を起こしてしまいます。

では、この状態を解消するにはどうしたらよいのか、
Nancy Drozdow氏は5つのステップを提唱します。

1.より大きな目標を設定する

2.会話が非生産的になった時に、いったん中断するというルールを作る

3.互いに仮想会話を共有する。相手の仮想会話を最後まで聞く

4.会話に立ち会った中立の立場の人から、会話がどう進んでいたように見えたかを聞き、次回の参考にする

5.話し合いの後、相手にその後の自分の対応を継続的に知らせる

ファミリーメンバーの長期的な関係を維持、促進するためには、
この様な努力の積み重ねが不可欠です。

(Family Business Magazine Summer 2011より)

 

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Nancy Drozdow

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