ファミリービジネス– category –
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ファミリーにおける意思決定の理想的な形
イエ型集団の意思決定システムとして、以下の2点が特徴的です。 1.階統制の滲み出し 階統の上下が互いに浸透しあうコミュニケーション、例えば一族・家人と郎従が互いに相談しあう、郎従と所従・下人とが相談しあうというように、階層の上下の壁... -
イエ集団の特性
多くのビジネスファミリーにおいて、いまもなおイエ社会の価値観が無意識に受け継がれています。イエ集団の基本的な特性として以下の4点が挙げられます。 1. 超血縁性 平安末期に東国で生まれたイエ型集団の原型は、農耕と軍事の機能を... -
ウジ社会とイエ社会
現在の同族企業を、『文明としてのイエ社会』(村上泰亮ほか著 中央公論社 1979)を参考に考えてみると、日本の歴史の発展パターンを、二つの異なる社会・集団の組織原則の進化、併存、交代の過程としてとらえることができます。 第1の組織原則... -
大事にしたい婿養子の貢献
欧米のファミリービジネス研究者の間で、日本の婿養子の慣習が話題になることがあります。 日本では同族企業で婿養子が後継者になることは珍しいことではありません。男子が生まれなかった場合、あるいは男子が経営者にふさわしい能力を持たない場... -
長寿企業大国日本はファミリービジネス大国
日本は老舗大国と言われています。日本経済大学の後藤俊夫教授によると、世界の200年以上の社歴を持つ企業のうち、約45%は日本の企業です。2位のドイツの約21%とも圧倒的な差をつけての1位です。 なぜ日本だけがこのように飛びぬけて長寿企業が... -
一般企業の経営論は使えないファミリービジネス
経営学は長い間、創業家と企業は別のものであり、切り離して考えるべきであるという前提に立ってきました。 企業の健全な発展形態は、まず企業の段階では創業者一族が献身的に働き、事業が拡大すると専門経営者に経営をゆだね、株式を上場し、創業... -
依存症とファミリービジネス
公私混同を起こした大王製紙の井川意高氏が自身の懺悔録(『熔ける 大王製紙前会長 井川意高の懺悔録』双葉社2013年)で述べている通り、彼は依存症でした。アルコール依存の告白をされていますが、ギャンブルに対しても抑制が利かなかったことは... -
親族内承継にもっと光を
終戦後に多くの企業が創業しました。戦後の復興期に創業した会社は、60~70年経過し、創業者の孫の世代へと交代する時期にきています。また、高度成長期に創業した会社は、30~40年が経過し、二代目社長への世代交代が進んでいます。事業承継のた... -
世代交代が早いほど業績は向上する
中小企業経営者の平均年齢が高くなっています。中小企業白書(2013年版中小企業庁)によると、事業承継時の経営者の平均年齢は、70.5歳(小規模事業者)、67.7歳(中規模企業)です。これは、30年前の62.2歳(小規模事業者)、61.3歳(中規模企業... -
大廃業時代
日本政策金融公庫総合研究所が2009年に行った中小企業の事業承継に関するアンケート結果によると、40%以上の企業で社長の後継者が決まっていないとされています。10年前のデータなので、現在はさらに進んでいる可能性があります。 後継者...