セブン・スプリングス コンサルタントのブログ
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家族で学ぶファミリービジネス経営論
ファミリービジネス研究は、欧米ではひと足早く進み、ファミリーたちが研究の成果をすでに実践で活かし始めています。 2011年8月22日の『ウォール・ストリート・ジャーナル』に「家族そろって学校へ通う」と題した記事があります。 「ファ... -
新たな組織原則が必要
戦後民法によって一人相続主義が廃止され、相続財産は原則均等に配分される形になりました。 江戸時代に生まれ、現在も生き続ける長寿同族企業は、イエ型組織のDNAを引き継ぎ、超血縁性、系譜性を発揮して3~4世紀以上生き続けることがで... -
GHQが変えた日本のファミリービジネスの在り方
徳川期に発展、存続したイエ型組織のなかで明治以降にも存続したのは、企業としての準イエの形態でしたが、社会一般の組織原理として人々の行動様式を規定するものでもありました。 第二次大戦後の進駐軍の改革は、3つの準イエ型集団に絞って行わ... -
日本的経営の背景
産業化が発展するにつれ、財閥企業が成長し、農村の地主制が発展します。 大商人の準イエは、経営体として大規模化すると共に、親族集団と経営体とが分離し始め、主家の家計と店の経理は分離していきます。奉公人が主人の親族となる道は狭くなり、... -
明治期のファミリービジネスの組織原則
徳川時代のように大イエによって身分・家格と俸禄を世襲財産として保障されるのではなく、明治の民法が意図して作った「家」の当主は、その存続と発展に直接責任を負うことになりました。 身分資格の世襲制が無くなり、西洋的な私有財産が導入され... -
再構築された明治期の「家」
明治以降の日本はイエ型集団の解体プロセスをたどります。 廃藩置県によって大名の大イエが解体され、さらに家臣たちの小イエも解体されました。しかし、四民平等化によって、すべての国民が小規模であっても自らの小イエ組織を形成することができ... -
ウジ社会とイエ社会(2)
日本の歴史を、ウジ社会とイエ社会の2つの波動を通して見てみます。 弥生時代からウジ社会が始まり、天皇ウジを中心とするウジ連合国家が、隋、唐などの海外文化の影響を受け、大化の改新などを経てウジ社会はピークを迎えます。律令国家... -
ファミリーにおける意思決定の理想的な形
イエ型集団の意思決定システムとして、以下の2点が特徴的です。 1.階統制の滲み出し 階統の上下が互いに浸透しあうコミュニケーション、例えば一族・家人と郎従が互いに相談しあう、郎従と所従・下人とが相談しあうというように、階層の上下の壁... -
イエ集団の特性
多くのビジネスファミリーにおいて、いまもなおイエ社会の価値観が無意識に受け継がれています。イエ集団の基本的な特性として以下の4点が挙げられます。 1. 超血縁性 平安末期に東国で生まれたイエ型集団の原型は、農耕と軍事の機能を... -
ウジ社会とイエ社会
現在の同族企業を、『文明としてのイエ社会』(村上泰亮ほか著 中央公論社 1979)を参考に考えてみると、日本の歴史の発展パターンを、二つの異なる社会・集団の組織原則の進化、併存、交代の過程としてとらえることができます。 第1の組織原則...